日本児童図書出版協会

児童書出版文化の向上と児童書の普及を目指して活動している団体です

こどもの本

私の新刊
『あしってエラい!』 大島妙子

(月刊「こどもの本」2014年9月号より)
大島妙子さん

「すごいぞ!ぼくらのからだ」イベントリポート

 企画から三年。絵本「すごいぞ!ぼくらのからだ」シリーズ五冊が、今年めでたく完成! その記念イベントが三月にキッズプラザ大阪で開催されたので、覗きに行ってまいりました。

 おなか、て、ほね、あし、しんぞう(こころ)のシリーズ五作品中、私は「あし」担当。『あしってエラい!』の絵を描かせていただいたのであります。

 広くて立派な会場内は、お子様連れの家族で熱気ムンムン。そして、その中に……、ありましたありました! 何ということでしょう! とーっても楽しげな「すごいぞ!ぼくらのからだ」コーナー! お子様はもちろんのこと、大の大人までもが、童心に返ってしまうほど。

 まず『あしってエラい!』に登場する両足はかせが、ガリバーさんのような巨人パネルになってお出迎え。これほど拡大しても、出来栄えはきれい、お見事! これぞ匠の技ですね。

 それから段ボールで制作されたシリーズ全作の見せ方が素晴らしい。お子様の目線の高さで、迷路のような道順を進んで行くのがワクワク楽しく、遊びながら「からだの不思議」に興味を持たずにはいられなくなる。と、なんとも憎い演出です。これらのイベントを企画・制作した方々の熱意とご苦労には脱帽しきりでした。

 後から話をうかがうと、保育社で絵本を作るというのは、初めてなんだとか。絵本の「いろは」も分からず、いきなり五冊シリーズですからね、それはもう本当に大変だったそうで、だからこそ、絵本が完成したときの喜びはひとしおだったのでしょう。その熱い想いがこちらにもビンビン伝わってきて、胸がじんとしてしまいました。『プロジェクトX』が一本できそう……、そう思ったのでありました。

 私自身この本にかかっていた頃というのは、〝人生の大ピンチ〟。締め切りを延ばしていただきながら、なんとか描き上げた絵本でしたから、私としましても実に感無量。

 たった一冊の絵本の裏には、たくさんの人間ドラマがあるものですね。

 以上、イベントリポートでしたー!

(おおしま・たえこ)●既刊に『母恋いくらげ』(柳家喬太郎/原作、大島妙子/文・絵)など。

「あしってエラい!」
保育社
すごいぞ!ぼくのからだ(既5巻)
『あしってエラい!』
中川ひろたか・文 大島妙子・絵
本体1,200円