おてがみさがし
「子どもを育てていたら、新しい絵本のアイデアが、たくさん浮かぶだろうね」
…何人かに言われた言葉。
でも正直言って、子育てしているとアイデアが浮かぶ隙とかもなく、ただ毎日こなして終わってしまう。
「子どもとの出来事を絵本にするといいよ」
…大すきな絵本の先輩に言われた言葉。
いつか作れたらいいけど…なんとなく分かるけどさあ、でもさあ、今は無理なんだぜ!って、ずっと思っていました。
だけど今回気づいたら、自分が息子と遊んで感動した出来事が絵本になっていました。
それが『おてがみさがし』です。
やったぜ!!!
息子が7歳になり、少しばかり子育てに余裕が出てきたのかな?と、うれしい気持ちです。
息子がひらがなに興味を持ち始めた頃、私は仕事で一泊の旅に出かける事になりました。
それで息子が寂しくないように、絵に簡単な言葉を添えたお手紙を作って、それらがつながっていくように、家の中に隠しました。最後のお手紙は、おやつ付きです。
「すっごい喜んでいたよ」と、後で家族が教えてくれて、その様子を見たくなった私は、今度は自分がいる時にその遊びをしました。
一文字一文字を一生懸命に読もうと見開く大きな目。(前回のおやつで、味をしめたのもあいまって!)次のお手紙を見つけると「あったー!」と全身で喜ぶ姿。
まぶしい思い出です。
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ちなみに自分が子どもの頃、母の誕生日にこの遊びを持ちかけたら、全然盛り上がらず、ちょいと傷ついたのですが、時間を超えて息子が喜んでくれて、「よかったねワタシ!」と昔の自分と肩を組めました~。
めでたしめでたし。
●既刊に『とりあえず とりの はなし』『わたしと いろんなねこ』『ようかいしりとり』など。
あかね書房
『おてがみさがし』
おくはらゆめ・作
定価1,320円(税込)